近頃、そよそよと吹く風が、どこか甘い花の香りを運んでくるようになりましたね。そんなうららかな陽気に誘われて、お店のショーケースも、春の息吹を感じさせるような、優しい色合いのスイーツで満たされています。
今日、皆様にご紹介したいのは、まるで春の妖精がそっと置いていったような、儚くも美しい一品。「エフェメール」と名付けた、とっておきのムースです。
口にした瞬間、ふわりと広がるココナッツの甘美な香り。それは、まるで南国のビーチでそよぐ風のよう。その土台となるのは、丁寧に焼き上げられた、軽やかなココナッツのビスキュイ。サクサクとした食感が、これから始まる甘美な旅への序章を奏でます。
中心には、太陽をいっぱいに浴びて育った完熟イチゴのジュレが、ルビーのように輝いています。一口食べれば、甘酸っぱい果汁がとろけ出し、春の喜びが体いっぱいに広がります。その周りをそっと包み込むのは、濃厚なバニラのクレームブリュレ。舌の上で優しく溶ける、まろやかな甘さが、イチゴの酸味と絶妙なハーモニーを奏でます。
そして、このスイーツを最も特別なものにしているのは、空気をたっぷりと含ませた、淡いピンク色の苺のムース。それは、まるで春霞のようにふんわりと軽く、口の中で儚く消えていきます。仕上げには、フレッシュなベリーを贅沢に飾り、ベリーのシャンティイを添えました。甘酸っぱさと、とろけるような口どけが、春の庭園で摘んだばかりの花束のように、華やかさを添えます。
先日、いつものように試食をしたマダムが、一口食べるなり、「あら、これってば飲み物みたいにスルスルと入っちゃうわね!」と、目を輝かせていました。その言葉通り、「エフェメール」は、重さを全く感じさせない、繊細で軽やかな味わいが自慢です。
慌ただしい日常の中で、ふと立ち止まり、ゆっくりと、じっくりと味わっていただきたい。そんな想いを込めて、一つひとつ丁寧に作り上げました。
頑張った自分へのご褒美に。大切な方と過ごす、優しい午後のひとときに。あるいは、何気ない一日を、特別な記念日に変える魔法として。
「エフェメール」が、皆様の日常に、小さな彩りと、心安らぐひとときを届けられますように。
ひばりヶ丘の小さなお店「Le Magnolier ル マグノリア」で、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
コメント