日々を彩る、お菓子のひととき。

チョコレート

ひそやかな夜に花開く、記憶に残る一粒。「ル マグノリア」のアルテミスが紡ぐ、甘美な物語

宵闇が街を包み始める頃、心の中にそっと灯りをともしたくなる瞬間はありませんか? 一日を終え、静かに自分と向き合う時間。そんな特別なひとときに、そっと寄り添う存在が、ひばりヶ丘の「ル マグノリア」にあります。

開業以来、まるで息をするように、ただひたすらに作り続けてきたチョコレートケーキ「アルテミス」。その名は、月夜に輝く女神のように、ひそやかでありながら、一度味わえば決して忘れられない、鮮烈な印象を残します。

飾り気のない、けれど計算し尽くされたシンプルな構成。スプーンを入れた瞬間、ねっとりと絡みつくようなガナッシュが、舌の上でゆっくりと体温と溶け合います。芳醇なラム酒の香りが、まるで秘密のヴェールをまとうように、ふわりと鼻腔をくすぐるでしょう。

そして、ガナッシュの下には、ラム酒が優雅に香るクレームブリュレが、静かにその存在を主張します。二つの異なるテクスチャーが織りなすハーモニーは、まるで夜空に響く調べのように、奥深く、そしてどこか物憂げ。その滑らかさは、言葉で伝えるよりも、むしろ写真からそっと伝わるかもしれません。

仕上げに職人が丁寧に施すグラサージュは、まるで鏡面のように艶やか。光を反射し、その美しさを一層際立たせます。それはまるで、夜の帳の中で、ひときわ輝く星のよう。

実はずっと、私たちが声高に「これがスペシャリテです」と謳っていたわけではありませんでした。けれど、お客様の間で囁かれるように、「ル マグノリアといえば、アルテミスらしいよ」という声が広がり、いつしかそれが定着したのです。お客様に決めていただけたのなら、こんなに嬉しいことはありません。まるで、そっと育ててきた花が、いつの間にか美しい実を結んだような、そんな喜びを感じています。

確かに、アルコール感は少し強めかもしれません。そのため、残念ながら敬遠されるお客様もいらっしゃいます。けれど、もしあなたが、ほんの少しでもお酒に抵抗がないのなら、ぜひ一度、このアルテミスを試してみてください。ラム酒チョコレートという、意外な組み合わせが生み出す、驚くほどのマリアージュに、きっと心奪われるはずです。一口食べれば、まるで秘密の扉が開くように、新しい味覚の世界が広がるかもしれません。

深煎りの、香りの良いコーヒーと共に、このアルテミスを味わう時間は、日々の喧騒を忘れさせてくれる、至福のひとときとなるでしょう。

今宵、あなただけの特別な物語を、「ル マグノリア」のアルテミスと共につむいでみませんか?

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Le Magnolier(ル マグノリア)

国内屈指のフレンチレストラン「オテル・ド・ミクニ」で基礎を固めた後、フランスへ渡り、ミシュラン三ツ星レストラン「ル・プティニース」で最先端のフレンチを学びました。その後、伝統的なフランス菓子の名店「シェ・ギエ」で研鑽を積み、フランス菓子の奥深さを知りました。帰国後、埼玉県川口市の「シャンドワゾー」でスーシェフとして経験を積み、2018年に独立。西東京市ひばりが丘に、フレンチとパティスリーの技術を融合させた自分のお店「ル マグノリア」をオープンいたしました。

  1. 日々を彩る、とっておきのお菓子の時間

  2. 日々の喧騒を忘れる、甘美な宝石箱

  3. ル マグノリアから催事のお知らせ

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