日々を彩る、お菓子のひととき。

タルト

【ひばりヶ丘 Le Magnolierより】畑の恵みをぎゅっと凝縮。心ときめく、いちごのタルト

皆様、こんにちは。ひばりヶ丘の小さなアトリエ、「Le Magnolier(ル マグノリア)」へようこそ。ショーケースには、今日も心を込めて焼き上げたお菓子たちが、皆様をお待ちかねです。

今回ご紹介するのは、まるで赤い宝石を散りばめたような、華やかな「タルトカンパーニュ」。完熟を迎えた、とろけるように甘い「とちおとめ」を贅沢に使い、私たちの自慢のタルト台にたっぷりと敷き詰めて、じっくりと焼き上げました。

焼き上がったタルトに、自家製のコンフィチュールをそっと塗り重ねると、いちごの香りがさらに豊かに立ち上ります。一口頬張れば、濃厚ないちごの香りが口いっぱいに広がり、甘酸っぱさが幸福感で満たしてくれるでしょう。まるで、春の優しい風を感じるような、そんな味わいです。

実は、このいちごを焼き込んだタルト、見た目の可愛らしさとは裏腹に、なかなか奥が深いお菓子なのです。ただ乗せて焼けば良い、と思われるかもしれませんが、いちごは水分をたっぷりと含んでいるため、焼き加減がとても難しい。甘みと香りを最大限に引き出しつつ、タルト生地とのバランスを絶妙に保つには、繊細な火加減と時間管理が不可欠です。

毎年、試行錯誤を繰り返し、様々な工夫を凝らしてきましたが、ようやく納得のいく仕上がりに辿り着きました。タルト台といちごの、一体感のあるハーモニー。それぞれの素材が持つ個性を尊重しつつ、お互いを引き立て合う、そんな理想的なバランスが実現しました。

カンパーニュ」とは、素朴な、田舎風という意味を持つ言葉。このタルトの名前は、私の故郷、茨城県水戸市に広がる、一面のいちご畑からインスピレーションを受けました。どこまでも続く赤い絨毯のような風景は、子供の頃の私にとって、忘れられない原風景です。土の香りと、太陽の光を浴びて育った、力強い生命力を感じるいちご。そんな故郷の風景を思い浮かべながら、このタルトを作りました。

派手さはないけれど、どこか懐かしく、心温まる味わいのタルトカンパーニュ。それは、まるで故郷の風景のように、あなたの心にそっと寄り添ってくれるでしょう。忙しい毎日の中で、ふと立ち止まり、このタルトと共に、優しい時間を感じてみませんか?

ひばりヶ丘にお越しの際は、ぜひLe Magnolierへお立ち寄りください。皆様の日常に、小さな幸せをお届けできますように。

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Le Magnolier(ル マグノリア)

国内屈指のフレンチレストラン「オテル・ド・ミクニ」で基礎を固めた後、フランスへ渡り、ミシュラン三ツ星レストラン「ル・プティニース」で最先端のフレンチを学びました。その後、伝統的なフランス菓子の名店「シェ・ギエ」で研鑽を積み、フランス菓子の奥深さを知りました。帰国後、埼玉県川口市の「シャンドワゾー」でスーシェフとして経験を積み、2018年に独立。西東京市ひばりが丘に、フレンチとパティスリーの技術を融合させた自分のお店「ル マグノリア」をオープンいたしました。

  1. 日々を彩る、とっておきのお菓子の時間

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